ヴァレンティノ(Valentino)はイタリア時間7月8日(金)、メゾンのスタートの地であるローマにて、2022-23年秋冬オートクチュールコレクション「VALENTINO THE BEGINNING」を発表しました。
美は調和から生まれます。押し付けられるものでも、従うものでも、ルールとして決められるものでもありません。美とは流儀であり、設立以来メゾン ヴァレンティノ(Maison Valentino)が取り入れている極めて重要なものです。
このコレクションはヴァレンティノのクリエイティブ ディレクター、ピエールパオロ・ピッチョーリが思い描き、支持し、育んできた美という考え方を描写したものです。それは脇役ですらなかった登場人物を主役にするという、かつて軽視されていたアイデアを中心へと据え、不完全で基準を満たしていないと思われていたものの中から魅力を見出すということ。美の領域を広げるというアイデアです。
すべてのスタートの地であるローマ、そしてそのローマに位置し、作り手の想いや物語を通じてクリエーションやアイデアが形を持った現実となるアトリエで、すべてが新しく生まれ変わります。流儀は何一つ変わっていません。アトリエの場所さえ変わっていません。しかし同時にすべてが変わってもいるのです。
嗜好や感情が描く地図を辿り、瞬間やテーマ、色、素材、サイン、ラインの集積を通じてやりとりする創設者との対話。それはパーソナルな歴史との対話ともいえます。対話は自身の反映であり、さまざまな角度から自身を見つめることでもあります。結局のところ、同じものが再び巡ってくることはありません。それぞれの始まりは一度きりです。そしてそれぞれの始まりはアトリエによみがえり、そこでビジョンは実体のあるものへと作り変えられます。
最初のアイデアを具現化した究極の場でであるファッションショー。ファッションは決して動きを止めません。
ムーブメントはその真の次元であり、時空に影響されるものではありません。
歴史が詰まった階段沿いに存在するひとつのムーブメント。それはほかのムーブメントやファッションのモーメントに反響し、階段のステップ一段一段を伝って、アトリエの一部となります。最終的な表現は、最初の構想をもとにしながらも、完全にその通りというわけでもありません。その違いの中にほかの新たな始まりがあり、感情以外の地図を持たない新たな旅へとつながっていくのです。
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